平成29年6月25日 絵画造形療法セミナー

絵画造形療法セミナー

講師 SUE LEE(スー・リー)2017年6月25日
愛媛芸術療法セミナーに5年連続講師を務めてくださっているSue Lee(スーリー)先生。現在は、インターナショナルスクールでのカウンセラーなどの心理カウンセラーの仕事を中心に大学や自治体の女性向けのカウンセリングなどもされています。

今回のテーマは ❝ Be Present ❞ 意識のアートセラピー
自己の気持ちや戸惑いをアート作品として「見えるかたち」で表現しグループに伝える(Present)、他者の作品も受け入れる(be present)。アート作成を通して、自己認識を深め、グループワークを通して他者とのつながりを感じ、慈しむ体験を持ちます。

午前の部:最初にレーズンを使ったワークをしました。まず一人一人にレーズンを配り、あたかも生まれて初めて見た物として観察して記録します。・しわしわである。・つまむと柔らかい。・冷たくも熱くもない。・甘い匂いがする。など様々な意見が出ました。その後、口に入れてみて再び観察を続けて記録。そしてこの一粒のレーズンがどのような過程を経て、今私の目の前に来たのかを考えました。ドラマ仕立てに考えていた人、逆再生のように語った人、科学的に分析した人、様々な意見が出て、こんなにも一人一人の意見が分かれるものなのかと驚きました。

自己認識エクササイズ 「あなたは何者ですか?」
まず一握りの粘土を全員に配布し、それを使って自分というものを表してみました。そして、どういった特徴があるのか発表していきました。因みに私は林檎の形を作りました。・まんまる。・世界のどこでも愛されます。・ひと皮むけたいと思っています…などと書き出しました。皆さん、いろんな抽象的な形やボールのような人と同じような形はありませんでした。皆さん、集中して作品作りをしましたが、ここでお昼の休憩に入りました。

午後の部:好きな折り紙を選んで、先ほどの粘土の立体の形を平面に表し直しました。(3D →2D)それをモチーフにして「Me Flag」(自分の旗)を作成しました。色画用紙や折り紙、さまざまな道具を使って自分を表現する旗を完成させました。一人ずつ発表していきましたが、この作業をすることによって自分では考えまいとしていたことに気付いたとおっしゃった方や案外こんな風に自分のことを思っているのかと新たに自己認識を深めた方が多かったように感じました。

グループワーク:全員参加の物語作成&プレゼンテーション
3~4人が1グループになり、自分たちの映画のポスターを作成しました。先生が用意してくれていたたくさんの切り抜きから好みの物を選んで、一目見ただけで内容がわかりやすく、魅力的なタイトルを考えてポスターを完成させていきました。まず内容を話し合い、構図を決めてコラージュしていきました。中には絵コンテを描いている本格的なグループもいました。
プレゼンテーションを順番に、グループ全員で前に立っておこないました。どのグループも面白くて、笑いすぎて泣いている人もいました。限られた時間の中で他者とコミュニケーションをとり、素早く形にしていくのは思った以上に大変でしたが、その分出来上がった作品を見てみると達成感を感じずにはいられませんでした。

今回の絵画造形療法セミナーのねらいでもあった自己認識・他者とのつながり・慈しみの体験は全て体験として自分の中に取り込めた気がしました。参加してくれた皆さんの晴れ晴れとした笑顔を見て、明日からの大きなヒントになったのではないかと確信しました。Sue Lee先生、たくさんの気づきをもたらしてくださって感激しました。ありがとうございました。